茅葺きとは

2025.06.02

茅(かや)

屋根を葺く草を総称して「茅」と呼びます。茅に使われる植物としてはススキがもっとも多く、ヨシ、カリヤス、チガヤ、ササなどのイネ科の多年草のほかに、小麦藁、稲藁などの穀物の殻も使われます。これらの茅は毎年刈り取ることで持続的に採集することができます。

茅場(かやば)

「茅場」は茅を採集する専用の場所です。温暖で多雨な気候の日本は、森林の優勢する国土です。火山の爆発や洪水などの荒地に草原は生まれますが、放置すれば森林に遷移します。茅場は、毎年刈り取ることや火入れをすることで森林への遷移を防ぎ、茅場を維持してきました。
このような茅場は集落や集落周辺の山間地、あるいは湿地に集落の入会地として共同利用されてきました。そこで毎年必要な茅を採集して茅葺き集落が維持されてきたのです。

茅刈り(かやかり)

「茅場」は茅を採集する専用の場所です。温暖で多雨な気候の日本は、森林の優勢する国土です。火山の爆発や洪水などの荒地に草原は生まれますが、放置すれば森林に遷移します。茅場は、毎年刈り取ることや火入れをすることで森林への遷移を防ぎ、茅場を維持してきました。
このような茅場は集落や集落周辺の山間地、あるいは湿地に集落の入会地として共同利用されてきました。そこで毎年必要な茅を採集して茅葺き集落が維持されてきたのです。

野焼き(のやき)

森林への遷移を防ぎ、良質な茅を確保するために、茅刈りの後、春の芽吹きの前に、野焼きを行い茅場を維持管理してきました。この野焼きは春の風物詩として、縄文時代の古くから日本各地で営まれてきました。

茅葺き(かやぶき)

茅で葺いた屋根を総称して「茅葺き」と呼びます。古代には、宮殿や神社や穀倉も茅葺きで、庶民の家も茅で葺かれてきました。宮殿や神社は次第に檜皮葺きや瓦葺きに替わっていきます。江戸時代以降に農家の屋根として茅葺きが発達し、今日茅葺き民家と呼ばれます。ススキやヨシで葺くと30年から50年の耐久力があるのに対して小麦藁は10年から20年、稲藁は3年から5年持ちます。
茅葺き民家は日本列島の多様な気候風土や生業、生活文化に適応して、その形や葺き方、意匠に地域的な特色があります。